成田山新勝寺(千葉県成田市)
電話 :0476-22-2111(断食参篭係)
ウェブ:成田山新勝寺
住所 :千葉県成田市成田1番地
交通 :JR成田線「成田駅」下車、徒歩10分
京成線「京成成田駅」下車、徒歩10分
2泊3日 5000円
4日目以降は1日毎に1000円
毎年の初詣ランキングで明治神宮に次ぐ2位に上がる、成田山の断食参篭(だんじきさんろう)です。健康のためというよりは修行のための断食道場で、その目的も仏様のご加護の下で、不動の信念と心身の鍛錬を体得することにあります。
断食参篭修行は参篭堂(さんろうどう)で行われており、いままで祐天上人、二宮尊徳翁、倉田百三氏、市川團十郎丈など多数の知名人が断食修行をしてお不動さまの加持力を頂き、願いを叶えられています。
期間は2泊3日~6泊7日までで、断食参篭修行係に連絡をとり、日程の予約をします。入堂前に指定病院にて健康診断(断食者用)を受け、診断書を持参の上で参篭堂に入ります。
持参品は寝具等は貸与されるため、日用品程度を携帯して下さいとのことです。なお、入堂後の買物は一切できません。また入堂期間中は薬の服用ができないため、薬を常用している方は参加できません。
成田山で2泊3日の断食を行ってきました。
入堂時に配られた資料によると、断食前3日前から自宅で少しずつ食事の量を減らすようにとのことです。例として断食3日前は粥と梅干、2日前はその量を減らし、前日は重湯だけと書かれていました。2泊3日ではここまでは必要ないかもしれませんが、私は入堂前日はお粥のみにして、当日を迎えました。
こちらは健康やダイエット目的(で、来られている方もいるようですが)というより、精神修養のための道場です。携帯やパソコン、ラジオなどは持ち込むことができません。また薬を飲むこともできませんので、日常的に服用されている薬のある方は入堂が断られます。
当日は指定されたクリニックで健康診断を行います。尿検査、血圧測定、聴診器による診断がありました。そして同意書を書いて終了です。その後は成田山の道場に入り、ひたすら自由時間です。早朝の護摩祈祷と15時のお勤めを除き、成田山の境内を出なければ散歩をしたり部屋で本を読んだりなど、ゆっくりと過ごすことができます。ただし水は少しずつこまめに飲むようにと指導がありました。水は飲むたびに最初に配られたシートにチェックを付け、一日に飲んだ水の量を次の日の朝に指導者が確認します。
私は2日目の夜まではそれほどお腹を空いたと感じることもなく、意外と平気でした。ですが最後の夜に急に頭が痛くなり、トイレで(胃が空っぽなので胃液を)吐きました。初日にお寺に入った時に指導者の方から「吐くぐらいは普通だから気にするな」と言われていたため、とりあえず吐くだけ吐いて少し楽になったら後は寝ていました。
この辺は個人差や体調も大きいかもしれません。私より数日前から断食道場に入っていた女性はすでに4泊目でしたが平気と話されていましたし、しかしその友達は途中で気持ちが悪くなり2泊で帰られたとのことです。どちらにせよ、無理せず体調を確認しながら断食を続けられるのが良いと思います。
そして最終日は挨拶をして終了。3泊以上の方はお粥が出ますが、私は2泊でしたのでそのまま帰宅です。帰りの電車ではふらふらしていましたが家に帰ってお粥を食べ、半日寝ていたらすっかり元気になりました。また私は左の脇辺りに湿疹ができることが多いのですが、断食後に見るとそれがきれいさっぱり消えていました。さらに妻から「びっくりするほど肌がきれいになった」と言われ、断食のデトックス効果が表れたようでした。
なお、断食退堂後の過ごし方としては、断食日数と同じほど日数をかけて、徐々に食事の量を戻していくようにとのことです。もしも長期間の断食をされるようであれば最初は重湯から初めて三分粥、五分粥、七分粥と身体を慣らし、そして平常食に戻していくと良いでしょう。
成田山での断食体験レポートは、宿坊研究会(お寺や神社体験を紹介する姉妹サイト)でも紹介しています。こちらは写経や朝のお勤めなど、お寺での体験レポートも含めていますが、毎日の出来事などもより詳しく書いていますので、ご興味あれば参照してみて下さい。